日々のワイン記録 オート・コート・ド・ニュイ ルージュ 2015 グロ・フレール・エ・スール
金曜の夜は何もなくてもなんとなくうきうきしてしまいます。
昨日の金曜夜は、1週間の自分の頑張りをねぎらうために何を飲みたいかなあ、とぼんやり考えていたら「ピノ・ノワール!」という心の叫び。
じゃあ何が食べたいのかなあ、と考えていたらこれまた「ハンバーグ!」
うーん、ハンバーグにピノ・ノワール・・・別に悪くはないんだろうけどベストマッチではないよねえ・・・ニューワールドのピノだったら悪くないかも・・
と逡巡しつつ、でもやっぱりハンバーグが食べたい!
というわけでいそいそとスーパーに材料を買いに。
そしてセラーを開けて物色したところ、目に留まったのはこちら。
銘柄:ブルゴーニュ オート・コート・ド・ニュイ ルージュ
生産者:グロ フレール・エ・スール
生産年:2015年
産地:フランス ブルゴーニュ地方 コート・ド・ニュイ地区
2本買っておいたうちの1本。
以前ワインの先生に「2015年のブルゴーニュは絶対買いのグレートヴィンテージです!」と教えていただき買ったもの。オート・コート・ド・ニュイだけど。だって(もちろんものにはよるけど)村名とか1er Cruとか気軽に家飲みするには高いんだもん涙。
多分まだずっと置いておいたほうが美味しくなるんだろうけど、今どんなものかちょっと飲んでみたい・・・。
ハンバーグと合わせるのはどうかと思いつつ、このワインへの好奇心とハンバーグへの欲望に忠実に開けてみることに。
色調は中程度の紫がかったルビー。輝き、つやは十分あり、クリーンな若々しい印象。
香りは一瞬レーズンを思わせるほど完熟しきったブルーベリーやプラム、どちらかといえば黒系果実に近い。バニラや燻したような香り、甘草・シナモン・クローブなどスパイスの香り。ほんのりミントのような香りもあり。
飲んでみると瑞々しく、酸は豊かで、しっかりしているがシルキーなタンニン。ミネラルによる引き締め感もあり。辛口。
各要素ごとが突出し、まだ全体のまとまりがなく、バラバラな感じなのが惜しい(わかっていて開けちゃったのでワインに罪はないのです)。
けれどしっかり太陽を浴びたブドウで、複雑な香りと味わい。しばらく寝かせておくのが楽しみです。もう1本はしっかり封印しておくことにしました。忘れてうっかり飲んでしまわないようにしなければ・・・。
オート・コート・ド・ニュイは専門家の官能テストで認められたものだけが単なる「AOCブルゴーニュ」ではなく「AOCオート・コート・ド・ニュイ」として認められ、ブドウの収量制限も村名並み。
つまり「AOCブルゴーニュ」よりは質がいいことが多いということ。
あまり気を張りすぎずに美味しいブルゴーニュワインを探す時にはいいかもしれません。
しかしその夜、お風呂に浸かりながら今夜の夕食を振り返り
「やっぱりあれはハンバーグじゃなくて秋刀魚の赤ワイン焼きとか肝醤油焼き、マグロの漬けみたいなほうがよかったんじゃないか・・・」
などとモヤモヤしている自分に気がつく。
その時の一番食べたいものを食べ、飲みたいものを飲んだにもかかわらず、それでも未練がましく、くよくよと後悔する意気地のなさよ・・・。とほほ。
なかなか一球入魂のマリアージュへの道は遠いものです。
目の前の欲望に振り回されない強い心が必要か。