A Life with a glass of wine

慌ただしい毎日でも1杯のワインがあれば。人生を豊かにしてくれるワインと日々の記録。

日々のワイン記録5 リースリング Q.b.A トロッケン フリッツハーグ

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銘柄:リースリング(注1) Q.b.A(注2) トロッケン(注3) 
品種:リースリング100%
生産者:フリッツハーグ
国・産地:ドイツ、モーゼル地方、ブラウネベルグ村
収穫年:2014
価格:2700円前後
 
モーゼル地方は古代ローマ人によりブドウ栽培が始まったとされる、ドイツで最古のワイン産地です。
蛇行するモーゼル川流域の斜面に半数以上のブドウ畑が存在します。
 
フリッツハーグはドイツ、モーゼル川中流ベレンカステル地区にあるブラウネベルグ村にある1605年創業のワイナリー。
エゴン・ミュラーと並び称されるこの地方の有名生産者、かつドイツを代表する生産者の一人です。
 
このワインは「ユッファー・ゾンネンウーア(乙女の日時計、の意)」という最大斜度70度(!)というほぼ崖である最上級の畑から採れたリースリングをブレンド。
 
時々転落して亡くなる人も出るという(!!)急斜面です。
わざわざなぜそんなところで栽培するのでしょう?
 
それはこの冷涼な地域でしっかりと成熟したブドウを造るための知恵です。
川は保温効果があるため周囲は比較的温かく保たれ、川からの光の反射も受けることができ、また斜面そのものが太陽の光を集めやすく、雪解けも早いのでブドウが成熟しやすいのです。
また、保温効果の高い黒いスレート(粘土岩)土壌が広がっていることもこの地域が銘醸地となっている所以でもあります。
 
一般的にはその品種を栽培可能な土地の中でも最も寒い場所が最も高品質なワインを生み出すといわれます。
ドイツは北緯47〜52度。その意味ではドイツリースリングはまさにそれに当てはまりますね。
今後、温暖化の影響でどう変化していくのか、気になるところではあります。
 
色調 
澄んで輝きのあるやや濃い黄色。
香り 
香り高く、フレッシュな白桃のような核種系フルーツ(注4)の香り。
その他、白い花の香りも豊か。トロール香(注5)もわずかにあり。
 
味わい 
とてもシャープな酸が豊かで、引き締まって舌の脇がわずかにピリピリするほど。
わずかな甘みと少しオイリーな口当たり。
辛口、ALC11.5%
 
余韻 
やや長めで心地よい余韻。酸味と果実味、わずかな甘みのバランスが良い。
モーゼルリースリングらしいわずかな甘さと酸味の繊細で素敵なバランスです。
   
我が家では中華風の夕食に合わせてみました。
豚肉とピーマンのオイスターソース炒め、たたききゅうり、ミニトマトとアサリとパクチーのスープ。
以前は中華料理にはよくビールを飲んでいましたが、スパイスや油の刺激とビールの刺激と、のダブルパンチで食べ疲れすることも多かったです。
ワインを勉強し始めて、中華とワインをうまく合わせるととても優しく自然な組み合わせになるなあと新たな発見でした。
 
リースリング(中でも辛口)は和食にも相性が良く、食中酒として日本人には使い勝手のいいワインですね。
 
それにしてもこのワインはドイツのワインにしては名前も短めで比較的覚えやすいのでその意味でも大変ありがたいワインです(笑)。
 
注釈
注1 リースリング:白ブドウの品種名。冷涼な地域で栽培される。
注2 Q.b.A(クー・ベー・アー):ドイツワイン法で4つの格付けのうち2番目に高い格付け。
注3 トロッケン:「辛口」の意味 
注4 核種系フルーツ:桃、アプリコット、など種の大きい果物。「stone fruits」とも言われる。
注5 ペトロール香:石油香とも言われ、キューピー人形のような香りと表現する人も多い。
          リースリングに多い傾向にある。