A Life with a glass of wine

慌ただしい毎日でも1杯のワインがあれば。人生を豊かにしてくれるワインと日々の記録。

仙台でひとりビストロに通うこと2晩

1ヶ月程前に出張で一人仙台に3泊4日で滞在しました。
 
昔は出張ともなれば張り切って夕食をどこでとるか事前にしっかり吟味し、かっちり予約をとっていましたが、なんだか今回は行き当たりばったり、その時の気分で考えよう、と情報収集もなしでやってきました。
 
宿泊したホテルは、「第一インパーク」。
実はあまり期待していなかったけど行ってみてびっくり、ビジネスホテルですが清潔感があり従業員の方の対応も良く、小綺麗でなかなか雰囲気の良いホテルです。
名前からあまり冴えない印象を勝手に持っていたのですが、そんな自分の思い込みと器の小ささを改めて反省です。ほんとすみません・・・。
これから仙台に来るときはここを定宿としようと心に決めました。
 
当初やる気のなかった夕食も、実際にその時刻になってみると
コンビニご飯も侘しいし、初めての仙台なのに全国チェーンの牛丼屋だとなんだか悔しい・・。
ということで、近場で良さそうなお店を検索し、目に止まったビストロに行ってみることにしました。ホテルから徒歩30秒くらいです。近!
 
「日仏食堂 ラトリエ・ド・ヴィーヴル」
外観はおしゃれな可愛らしいビストロ風。
17時半くらいに伺いましたが、比較的若いシェフが一人。
炭火の香りが漂う店内です。
 
ドリンクメニューは作っておらず、ビール、ワイン、日本酒が各種あるのでシェフと適当にお話ししながら決めるスタイルです。ワインは泡は3種、白、赤とも各5種程度、全部で15種程度常時グラスで提供しているとのこと。
まずは泡を頼みます。
まだ明るい時間でもあり、スペインのカヴァ、ロゼを。
 
突き出しに新玉ねぎと小松菜、ビタミン菜の和え物。
薄味の出汁が効いていて美味。
 
 
このお店は炭火焼きが得意なようです。
まずは筍の炭火焼き、ばっけ味噌添え
皮付きヤングコーンの炭火焼き を頼みます。

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ばっけ味噌とはふきのとう味噌のこと。仙台の昔ながらの味なんだそうです。
これの組み合わせが抜群に美味しい!
筍とふきの組み合わせは家で煮物にすることはあるけれど、
筍をシンプルにグリルしてふき味噌を添えるだけでワインにも合うとは目から鱗です。
もちろん日本酒にも合いますね。
来年絶対やってみるぞと心に誓いました。
 

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ヤングコーンもヒゲの部分まで甘くて美味しい。
 
 
 野菜に合わせて白のグラスワインをお願いすると、グルナッシュブランが出てきました。ルージュは時々飲みますが、ブランは初めてです。
産地はフランス ラングドック地方のマルペール。
生産者はシャトー・ド・コワント。
酸は丸くやわらかく、フルーティで厚みがある、アルコールのボリューム感もあります。
白い花の香りとわずかな苦味。
春野菜の炭火焼きによく合います。

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食べつつ、飲みつつお話ししていると、シェフが日本酒に対して造詣が深いということがわかりました。せっかくなのでお勧めのお酒を飲まないわけにはいかないだろう!というわけでおまかせでお願いしました。
 
水鳥記 特別純米酒 雄町 5割5分。
蔵元は気仙沼の角星。
雄町は飲食店にしか下ろしていないようです。
(一般販売されている山田錦5割5分はインターナショナルワインチャレンジ2017の日本酒部門でbronzeを獲得、2014年にはgold獲得もしています。)
このお酒は初めて知りましたが、たいへん美味しかった。
 

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お酒に合わせたのはほやと春野菜のフリカッセ(軽いクリーム煮のこと)。
 
ほやは生まれも育ちも九州人である私には全く馴染みがない食べ物で、刺身やほや酢を食べたことがこれまで2〜3回あるかないか。嫌いでは全くないけどそんなに感動した覚えもない、といったところでしたがこれが驚きの絶品です。
まさかほやがこんなに美味しく、しかもフレンチになるとは。
磯の香りのするほやの食感、甘ささえ感じさせる味の濃い野菜とがうまくクリームソースでまとまり、それぞれ違う方向に行きそうな各要素が絶妙なバランスです。

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濃醇(っていうのかな?)なこの日本酒によく合います。
 
 フレンチの要素もあり、和食の要素もあり、気軽に訪問できるお店。
自宅の近くにこのようなお店があれば、常連化することは間違いない良店でした。
全体を通してまず野菜がとても美味しい!
フレンチメニューもあれば和食的メニューもあり。
お酒も豊富(ワインは比較的ビオが多め)。
ワインと日本酒と料理、ガチガチに分けて組み合わせを考えなくても、合わせたいように合わせれば新しい美味しい発見があるのだと認識させられました。
 
入店は17時半、出たのは20時頃。
平日の早い時間だったせいか、最初から最後までシェフと二人きりでしたので
シェフの熱い思いも色々聞かせていただくことができ、楽しい夜となりました。
 
そして食べたかったけどお腹いっぱいになり断念した別メニューを食べるためしつこく翌日も訪問。変わらず美味しい料理と暖かなおもてなしをしていただきました。金曜日だったのでお客さんは前日と打って変わって多く、前日にゆっくりした時間を過ごせたことに感謝しました。
シェフ曰く2軒目として利用されることが多く、早い時間はゆっくり食事ができるようです。
 
また仙台に行く際には訪問必須のお店となりました。